QRコード
QRCODE
オーナーへメッセージ

 

この広告、メッセージは90日以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事でこのメッセージが消せます。
  

Posted by あしたさぬき.JP at

2012年12月07日

5トップ+「1」

FIFAクラブW杯 ジャパン 2012 サンフレッチェ広島1-0オークランド・シティ



レッズの進化(深化)のためには、先輩サンフレッチェ広島を見なければならない。
ということで現在のサンフレッチェ広島を知るためにCWCを見ること。



20分、実況「Jリーグチャンピオンらしくない闘い方」って言っていたけど、Jでそんなに良いフットボールしてるのだろうか。
レッズと置き換えて観てるけど(レッズは左が攻撃特化、サンフレッチェはその反対で右という違いはあるものの)、十分な闘い方をしている。
まず、3バックに、ボランチの森崎和幸または青山敏弘が降りてきて4バックを形成。
ビルドアップからロングボールなり、タテパスなりでブレイクしていく……。

試合開始から時間が進むにつれて気になったことは、思ったよりも森脇良太が上がっていかないということである。
具体的には、ミキッチを追い越したり、流れの中でのシュートも見られなかった(セットプレーのこぼれ球からのシュートはあったが……。比較対象は、槙野智章)。
そして、この試合最大の衝撃は青山敏弘のゴールを除いてこの場面だろう。
オークランドのクリアミスを水本が拾い、高萩とのワンツーからフィニッシュに行こうとする。
このとき知ったのは、水本裕貴も上がるという事実。
坪井慶介ぐらいのなんちゃって攻撃参加かと思いきやきちんとシュートに行く姿勢を見せた(まぁ、最近のツボもドリブル突破からの「クロス」を見せ始めてきてはいるのだが……。がんばれツボ!ヤマや岡本さんも)。



前半終了。
以前、BSスカパー!「フットボールクラッキ」で3バック特集があった。
このとき、松本山雅FCの反町康治さんが「広島は後ろ3枚でボールを回す」って言っていたけれど、前半終了時点では、森崎和幸(または青山)が必ず降りてきて「4枚」を形成し、ボール回しをしている。
ここにレッズとの違いはない。
「3枚」を楽しみにしていたのだが(「フットボールクラッキ」の映像でも「3枚」を紹介していた。あれは作為的な映像だったのであろうか。本当は、サンフレッチェ広島もレッズと同じく「4枚でボール回し」か)。



57分、とうとう「3枚でボール回し」。
このように、できるときは「3枚」で良いのである。
現在のレッズが実践する、無理に「4枚」作る必要はないのだ。
しかし、言及しなければならないのは、「ボール回し」だが、レッズと違うのはその「回し」の終了が早いことである(「回し」終了が早いのは、前線がボールをもらう動きを繰り出しているからだ!)。これにより、「3枚」が可能になっているのである。



さて、5トップ+「1」が誰になるか興味あったのだが、それが結局のところ、得点につながった。
青山敏弘の無回転ミドルシュート。
これ自体ゴラッソだが、やはり「1」が効いた。
5トップにはそれぞれマークが付いているところ、+「1」がその間隙を突いたのであった。
青山がそのエリアまで侵出することにより、それまでいたスペースは危険にさらされる。
しかし、このままでは得点できない。
そういった葛藤の中で繰り出されたリスクチャレンジ。





レッズとの違いは、DFとDFの間に入り、かつ常に裏を狙い続ける「佐藤寿人」の存在。その姿はまるでピッポ・インザーギ……。
このように書くと寿人をほしいように思われるが、そうではない。
私が見ているのはサンフレッチェ広島ではなく「浦和レッドダイヤモンズ」なのだから。  

Posted by sanukireds at 22:10Comments(0)クラブワールドカップ

2012年10月10日

改めて露呈したレッズ攻略の鍵

天皇杯3回戦 vsカマタマーレ讃岐



本来なら、サガン鳥栖が勝ち抜く予定だったため、香川県と埼玉県のチームが佐賀県総合運動場陸上競技場で行うことになってしまった試合。
J1優勝を争うチームに対してJFLのチームがどこまで闘えるか。
一方、レッズにとっては、リーグ戦でJ2降格が決まったコンサドーレ札幌戦での敗戦はぬぐえたのかに注目した一戦。



一般的に、チームが強いチームに勝とうと思う場合、守備ラインを下げスペースをなくす。
前から守備をすれば裏を狙われ、あっという間にフィニッシュという場面が少なくないからだ。



しかし、カマタマーレ讃岐は違った。
積極的に(キックオフ直後5分に限って言えば極端なほどに!?)、レッズディフェンスラインにプレスをかけた。
レッズの攻撃構築は、ディフェンスラインから始まる。
本来、レッズは、ドン引きしている相手を前に引き出すためにディフェンスラインでボールを回す。
しかし、最初からディフェンスラインにプレスを掛けられると困惑してしまう……。
これは、ガンバ大阪戦で判明したわけだが、この点について何のケアもされていなかった。
その結果、カマタマーレの足が動いていた前半、カマタマーレはレッズにフットボールをさせなかった。
よって、カマタマーレにもガンバのように得点できる外国人部隊がいれば勝利ということも夢ではなかったのであった。



とは言うものの、レッズにまったくチャンスがなかったわけではない。
カマタマーレの前からのチェックを破り、両サイドウイングバックが高い位置でボールをもらう。
このとき、カマタマーレは5バックで数手不利(フォーメーション通りだとカマタマーレ4バックに対し、レッズ攻撃時5トップ)を生じさせずに対処。
前線ではスペースがないわけだが、少し視野を後ろに下げると、ディフェンスラインと中盤の間、いわゆるバイタルエリアががら空きだったのだ。
しかし、レッズは気付いていないのか、そこに飛び込む選手がいない。
それが特徴である柏木陽介がいるにもかかわらず……だ(49分になってようやく彼はバイタルに入り、大きく外れたがシュートを打つことができた)。



では、試合の推移はといえば、前半積極的にカマタマーレ、後半消極的にレッズのものとなった。
精度が低いとはいえ、いくつかのチャンスを作った後のビッグチャンスは35分。
カマタマーレはトップにボールを当て、2人がワンタッチでボール交換後、ディフェンスラインの裏に抜け出した石田英之が加藤順大との1対1を迎え、左に蹴るが加藤が反応しゴールならず。



56分、カマタマーレは、最後の1歩が出ない状況になった。
すなわち、「足が止まった」状態である。
それを見たレッズは猛攻を仕掛けるが、なかなかゴールを割ることができない。
しかし、とうとう75分。
倒れこんでいたため前線に残っていた槙野智章が、グラウンダーのクロス。
ファーで待ち構えていたのは、60分に梅崎司と交代した矢島慎也だった。
これを矢島は落ち着いてフィニッシュ。
レッズはようやく先制することに成功する。



75分に、前半、左サイドで積極的に攻撃構築していたカマタマーレの石田は交代。
続いて82分には、中盤でボールをつなげていたアンドレアも交代。
カマタマーレは攻撃構築の手段を失い、トップにボールを当てることでのみ光明を見いだすしかなくなった。
そして、レッズの猛攻を耐えている中での88分。
左サイドからの低く巻いたクロスをレッズディフェンスは跳ね返すことができず、さらに加藤も触れずそのままゴール。
会場中が色めき立つ同点弾。



もしかして……と思われたが、83分に鈴木啓太と交代で入った小島秀仁は冷静だった。
その時間になっても高いディフェンスラインの広々とした大地めがけてボールを放ったのである。
そのボールを呼び込んだのはポポ。
キーパーもかわし勝ち越し。
そのまま試合は終了しレッズが天皇杯4回戦へと進んだ。





ハイプレス(これを攻略された後の)+低い位置でのブロック。
Jリーグ第26節でガンバ大阪は同じ戦いをしたわけだが、このときもレッズは手が出なかった。
そして、ガンバは外国人の活躍で5得点し圧勝した。
カマタマーレにとっては、得点力が少しでもあるフォワードがいたならと悔やまれる試合だった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年10月06日

der Zweikampf ~日本のツケ~

2012 Jリーグディビジョン1 第28節 コンサドーレ札幌



レッズの試合開始前に行われた首位サンフレッチェ広島のゲームは引き分け。
勝ち点を縮める絶好のチャンスとなるはずだった今節。
相手は前節最速でJ2降格が決まったコンサドーレ札幌であった。
格下とも思える相手に勝ち点3は確実のはずだが、レッズには苦い思い出があった。



2007年最終節。
相手は横浜FC。
そのときも降格が決まった直後の試合。
一方、レッズにとっては、優勝がかかった試合。
結果は負け。
鹿島アントラーズに逆転優勝を決められた2007年だった。



両チームともフォーメーションは3-4-2-1であり、同じフォーメーション同士がぶつかり合うミラーゲームとなった。
そのとき大切なのは、対面する相手に負けないことder Zweikampf。
日本フットボール界のツケだ。
“数的優位”という言葉が独り歩きし、まるで1対1がダメな風潮がある。
まずは、“1対1”のはずなのに。
それを体現したのは、前節同様、少ないながらもドリブルを見せ始めている坪井慶介。
今節では、9分および28分だった。
ドリブルで勝てると思ったから、勝負する。
経験からの還元だった。



しかし、チームメートはその考えではなかったようだ。
1対1を仕掛けようとせずに。
昨季、何を学んだのであろうか。
ゼリコ・ペトロヴィッチの元、1対1の重要性を学んだはずなのに。
もちろん、相手ディフェンスラインは低く、スペースがなかったことは考慮に入れなければいけないが。



18分にみせたように、まずまずの動きを見せた原口元気。
前節、前半途中に交代という屈辱を味わった。
このとき、スペースを作るために自身のポジションを下げ、そこにマルシオ・リシャルデスを飛びこませた。
そのとき、パスを出した柏木陽介。
今節も中央3人が中心となり攻撃を構築していくのかと思われたが、試合が展開されたのはサイド。
しかも、闘わなかったサイド(まぁ、中央から逃げたわけだから、「闘わなかったセンター」とも表現できる)。



マルシオを中心に得点チャンスは2度あった。
32分。
柏木のふわりパスに抜け出し、キーパーとの1対1を迎えたわけだが、シュートか、原口へのパスかよく分からないボールを出し、ボールはゴール横にそれた。
もう一つは、フリーになったところで大きく外した場面。



レッズとは対照的に闘っていたのはコンサドーレ。特に後半。
前半は、アタッキングサードで動きがなかった。
というのも、ボールをそこまで持って行くのが精一杯で、最終ラインからの全力ダッシュで疲れ果てていたからだ。
しかし、50分に先制したことにより、俄然やる気が出たようだ。最後の一歩が。
得点者は、古田寛幸。
素早いターンで永田充を交わし、利き足ではない右足でゴール左上に決めた。
そして、2点目も古田。
ボールはディフェンスライン裏に抜け出した。
コースを切れば良いのに、不用意なスライディングを繰り出した槙野智章。
それを踏ん張って交わし、あとは落ち着いてゴール。
スカパー!での解説・野々村芳和さんは「つなげるため」とおっしゃっていたが、それでは槙野が成長しない。
失点につながったのは事実なので、きちんと批評しなければ。










この試合、良かったのは次の世代の主審が育っていること。
主審・福島孝一郎さん。
弱冠28歳ながら試合をきちんとコントロールし、ゲームの主役になることがなかった。
(闘わせるところは闘わして……と書きたかったが、1対1は少なかった。よって、闘わせるためにプレーを流すことが少なかった。)
(試合前、井上さんの姿が見えたので彼が主審かと勘違いしていた。)
  

2012年05月03日

直輝に続き、スイッチャー柏木の不在

2012 Jリーグディビジョン1 第9節 横浜F・マリノス



ケガにより柏木陽介の出場が危ぶまれたが、今節もいつも通りのスタメンとなったレッズ。
一方、Fマリノスは熊谷アンドリューという新しい血を注入した中での第9節。



ケガの影響を振り払うためかこのゲームのファーストシュートは柏木だった。
1分、右サイドでワンツーから抜け出ると相手プレスが甘かったため、ゴールから遠いがシュート。
おしくもゴール右にそれる。



続く、8分。
コーナーキックを蹴る直前、いつもどおり永田充、阿部勇樹および槙野智章らが話し合っていたが、今節は柏木も加入。
何かあると思い見ていたが、見事に槙野のフリーを作出。
しかし、おしくもそのヘディングは外れる。



レッズムードと思われたが、昨季愛媛FCでブレークし期限付き移籍から復帰した齋藤学が一仕事をやってのける12分。
コーナーキックを中澤佑二に競り勝った槙野がクリア。
しかし、そのこぼれ球をエヒメッシが拾い体勢は悪いがシュート。
それがGK加藤順大のタイミングを崩したのか一歩も動けずゴール。
加藤はただ見送るしかなかった。
カモメッシはそのあともアタッキングサードでドリブルで勝負しその好調さを観客に見せつけた。


この後、両チームともにチャンスを迎えるが決定打はなく後半へ。
明らかに柏木は精彩を欠いていた。
運動量が足りないのはもちろんのこと、攻撃を活性化するタテパスおよび意外性ある3Dパスが完全に影をひそめていたからだ。
これにより、有効な攻撃構築をできないため、1点リードし攻める気をほぼ見せないマリノスに付き合った格好となった。
そのため、柏木は前半で交代した。
自らの動きで活性化する山田直輝は依然としてけがのため不在。
さらに、同様に動きおよびパスでその存在感は絶対的なものとなっていた柏木も頼れない。
その2人に代わって誰が攻撃のタクトをふるうかに注目が集まった後半であった。



後半のファーストシュートは鈴木啓太。
マルシオのポストプレーから低空シュートを打つが、ゴール左に外れる。



70分。
これまでのお決まりの交代策から初めての手に出る。
坪井慶介に代えてランコ・デスポトヴィッチ。
ポポをピッチに残すことでパス出し、運動量&キープ力でレッズにチャンスを継続させる。
80分。素晴らしいパスからランコはマリノスの裏へ抜け出すが、ボールは大きく外れる。
雨の影響で踏ん張れなかったか。



その前の78分。
レッズは同点ゴールを迎えていた。
左の梅崎司からボールを受け取った槙野。
熊谷をかわし右足でのコントロールショットを放つ。
レッズ移籍後の初ゴールは貴重な同点ゴールとなった。



同点に追いつき逆転というムードを迎えていたが、88分。
マリノスに復帰したマルキーニョスが勝ち越しゴールをあげる。
コーナーキックのターゲットとなるであろう選手たちがニアに行く中、ファーで待ち受けていたマルキーニョス。
さらに、マルキーニョスの前にいた選手がつぶれシュートコースをあけるという努力。
マリノスの“勝つ”という努力が結果に結び付いたシーンであった。
このゴールによりマリノスは勝利し、連勝となった。



前半の流れをそのまま後半にも引き継いだレッズ。
その原因は柏木不在にある。
良くも悪くも(どのチームにも!)依存する選手はいるものであるが、現在のレッズは柏木。
彼なしではゲームを進めることはできない。





メディア露出に対する責任。
スカパー!でのレフェリー座談会のことであるが、今節主審を務めた吉田寿光さんも参加していた。
参加した甲斐あってか(?)、ボール際での行為に関してはほぼ笛を吹かずゲームをスムーズに進行。
すなわち、正当なフットボールコンタクトを見守り、ゲーム作りに貢献。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年04月21日

1年前からの課題は解決されていなかった

2012 Jリーグディビジョン1 第7節


「勝ったときの方が弱点は隠れやすい」という格言にも似た言葉があるが、それを象徴するかのような今節であった。
昨季第9節で横浜Fマリノス前監督である木村和司氏に言われた言葉「……ブロックを作っていけば中に入ってこられないなっていうのは、分析の中にありました……」http://sanukireds.ashita-sanuki.jp/e411137.html
このとき、中に入っていけないならばどうするのか、これが課題となっていたわけですが、これが解決されずにいた。
今季はこれまでショートカウンターやセットプレーで勝っていたからである。
そのツケが回ってきた今節と言っていいだろう。
アルディージャは2点先行したことにより、それ以降は危険なプレーは繰り出さずおとなしくなった。
それを支えたのは強固な守備。
両サイドにはった平川忠亮および梅崎司のケアにもちろん行くがそれはほぼ見せかけ。
要所は中央にあった。
あくまでの狙いは中であり、良いクロスを上げさせないためだけのサイドディフェンスであった。
一瞬のスピードアップから中央突破を試み、後半にポポが右足および左足でそれぞれチャンスを迎えたがゴールならず。



それでは時間の経過とともに試合を振り返るとする。
7分、少し距離があるところでレッズはフリーキックを獲得する。
キッカーは、前節、絶妙なフリーキックを決めたマルシオ・リシャルデス。
それにより自信となったのか、キッカー復帰。
さらに、コーナーキックでも同様である。
彼の“自信”を感じるのはその運動量にもある。
ポポがボールを受けるためにポジションを下げると、ポポがいたトップのスペースへマルシオは飛び込んでいた。



コーナーキックの話が出たので気になったことがある。
9割方ニアを狙っていたことである。
ニアには長身ラファエルが待ち構え、彼をおびき寄せるなりつぶしたりすることを主目的としていたのだろう。
しかし、どうにもこうにもその主目的を達成するようなコーナーキックが成功することはとうとうなかった(その後は、ファーにも蹴りだしたのだが、時すでに遅し)。
もう少しコーナーキックに触れると、アウトスウィングとなるキッカーが選出となっていた。
右コーナーキックならマルシオ、左コーナーキックなら柏木陽介である。
これも前節からの教訓なのだろう。
前節では、左コーナーキックを柏木が蹴り、キーパーから逃げるような軌跡を描いたボールは阿部勇樹の足元に落ちゴールとなった。
その良い思い出があるからこそのアウトスウィングとなるコーナーキック。
このCK時、槙野智章、阿部ちゃんおよび永田充が入念な話し合いのもと、CKに臨んでいたのはなかなか興味津々であった。
今季の功績、つまりセットプレーからゴールできているからである。



こういった妄想にふけっていたが、水をさしたのは今季アルビレックス新潟からアルディージャに加入したチョ・ヨンチョル。
アタッキングサードでの細かなパス回しから、坪井慶介が圧力をかけるため前へ出たためにできたスペースを見逃さなかった。
そこに飛び込みボールを受けると、切り返して右足でゴール。
DFが前に出てできたスペースを突いたわけだが、フロンターレ戦でジェシが出てきたときはレッズにとってチャンスとなった(ゴールならず)。
しかし、今節ではこれをゴールにされてしまった。



話を戻して、最初に述べた課題は解決されなかったままだが、成長できていた点もあった。
22分。
レッズは一度攻め込んだが、どうしてもスペースを作れずにいた。
そのため、最終ラインまでボールを下げ、作りなおし。
再び攻め上がったわけだが、これまでだとシュートまで行けず、中途半端なパスミスとなることが多かった。
しかし、このときはシュートを打つところまで行けたのだ。
右サイドヒラからのクロスを中で待っていたポポがつぶれたことにより、こぼれ球となったわけだが、それをペナルティーアークで拾ったウメが迷わずシュートを放つが惜しくもゴール右にそれた。



レッズがリズムを作り出し始めたそのときまたもアルディージャに得点を許す。
27分。
アルディージャ左サイドからチョのクロスを、ファーで槙野の背後をとったラファエルが得点する。
これでラファエルは、レッズ相手に6試合連続ゴールとなる7ゴール目を決めた。



ハーフタイムに鈴木啓太と原口元気が交代。
その意図は明確であった。
前述したとおりアルディージャは中を固めていた。
単に上げるだけのクロスではDFの視野に入り簡単に対処されてしまう。
そのために原口のドリブルで相手を混乱に陥れたかったのだろう。
しかし、その目論見は外れ、彼らしいドリブルはまたも見られなかった。



後半はほぼレッズがボールを保持する(怖いシーンといえば、チョがノンステップで右足を振りぬいたシーンぐらい。このときは加藤順大のグッドセーブで難を逃れた)。
しかし、中央をこじ開けられない……。
前述したポポの左右でのシュート。また、阿部ちゃんのシュートは菊地光将にヘディングでクリアーされる。
そして、時は流れ試合終了。
これでアルディージャはとうとうさいたまダービーでホーム初勝利を飾った。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年04月14日

自信がもたらした苦手意識払拭

2012 Jリーグディビジョン1 第6節 ヴィッセル神戸



鹿島アントラーズの野沢拓也など大型補強に成功したヴィッセル神戸。
その甲斐あってかスタートこそ2連勝したが、気がつけば公式戦4連敗(しかも4試合連続無得点)すなわち、レッズにとっては2試合連続で調子を落としているチームが相手となった。



試合序盤6分での右サイド。
平川忠亮→柏木陽介、再びヒラへと渡る。そこからのクロスには、ポポがスペースを作ったことにより、飛び込んだのはマルシオ・リシャルデス。
しかし、マルシオもブロックされるわけだが、ポポがフィニッシュを迎えた。
また、20分。
中盤から右サイドに広く開いたヒラにボールが渡ると、軽いタッチで柏木へ。
柏木はファーにクロスを入れるわけだが、待っていた梅崎司はそのボールにジャストミートできず……。
さらに、24分。
またもヒラにボールが渡るわけだが、そこからマルシオ、再びヒラは中の柏木に合わせるがヘッドはゴールとならず。



しかし、ヴィッセルもレッズの攻撃を受けっぱなしというわけではない。
大久保のバー直撃というシュートはあったし、何といってもここだけは分析していたかという、21分のファー狙いのクロス(そのボールは大久保に合わなかったが)。



レッズリズムとはいえ、少ないながらもチャンスを演出していったヴィッセル。
試合は得点のないまま後半を迎える。



やはり努力は実を結ぶ。
柏木の左コーナーキックから槙野智章がドンピシャでヘッドを打つが、徳重健太に防がれる。
その後の53分。
まったく同じ設定。
左CK柏木から槙野がまたもヘディングで狙う!と思われたが、それをスルーし、ボールは阿部勇樹の足元へ。
槙野のヘディングに気を取られ阿部ちゃんにボールが渡ると思わず、ヴィッセルDFは完全なボールウォッチャーに。
そこを逃さずフィニッシュに成功。
レッズが先制することとなる。



前線で体を張り、かつ運動量で攻撃の起点となっていたポポに代わり、69分、原口元気の投入。
スリップするピッチで彼のドリブルは影をひそめるかと思われたが、とどめとなる2点目のきっかけを生むドリブルを見せた。
左CKはインスイングとなるマルシオが蹴るのかと思ったら、実際に蹴ったのはアウトスイングとなる柏木であった。
まだ自信が持てないのか……と残念に思っていた中迎えた77分。
セットされたボールの前には、マルシオ、柏木そして槙野。
それぞれがフリーキックを蹴りたい者たち。
その中で、柏木はコンサドーレ戦で決めたから今節も蹴りたい、槙野も早く得点したいため蹴りたくてうずうずしているだろう……などさまざまな想像が膨らんでいた中で、前述のCKがあったから、マルシオは蹴らないと思っていた中で見られたのはきれいな軌道。
映像を見てみると、そのフリーキックのすごさが分かる。
特に、ピッチを縦にし、マルシオの後ろから捉えた映像を。



その後も、ショートカウンターからレッズはチャンスを迎えるが、3点目とはならず。
たとえば、雨のため軸足を踏ん張れれば得点できたのではないかと思ったのがウメのシュートだったわけだが。



レッズはこれまで以上に小気味よくボールを回すこととなった。
その原因は、キャンプ中の練習試合を分析していればおのずと対策をとってきそうなものだが、なぜかヴィッセルは展開パスを繰り出す鈴木啓太を抑えようとしなかった。
そのため、彼からのサイドを変えるパスが発動し、チャンスを迎えることがしばしば起こったのであった。
これまでの相手は啓太に圧力をかけ、自由を奪っていた(分析済みということだろう)。
そのため、練習試合ほど、啓太から散らしパスを見かけることはなくなっていた。
これがこの試合を大きく分けることとなった。



相馬崇人を見られたのは前半だけ。
しかし、見られたといっても満足のいくものではなかった。
最終ラインから前線まで走りきり、体力消耗後のクロスを見せていたわけだが、シザーズからのクロスは影をひそめていた(彼らしいシュートは1本あったわけだが)。
ポルトガルおよびドイツで彼に何があったのか。
随分と大人しくなったものである。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン

気になったのは試合後のインタビュアーが高木聖佳さんだったこと。
川崎フロンターレおよび東京ヴェルディ―担当じゃなかったっけ?
それともJ sport仕様?
  

2012年04月08日

勝たなければいけない相手に勝つ

2012 Jリーグディビジョン1 第5節 鹿島アントラーズ

ナビスコカップ2連勝とはいえ、リーグ戦に限っては1分3敗の鹿島アントラーズ。
そういった調子を落としているチームに対して勝たなければいけなかった試合。



キックオフから息つく暇もなく試合は動くことになった。
2分。
レッズの弱点を研究済みなのだろう、アントラーズ右サイドで連携からファーにクロス。
すると、ナビスコでのジュビロ磐田戦同様、ファーからのヘディングでゴールを許す。



失点し、レッズボールで再開したかと思えば、すぐに同点。
3分。
スペースを感知したマルシオ・リシャルデスと柏木陽介の息のあったプレーで同点に。
ニアにいたポポではなく、マルシオが走り込むであろうことを予測し、隙間に落としたふわりパス。
ゴールしたマルシオの左にはさらに左ウイングバックの梅崎司が控えていたという厚みある攻撃。



さらに、逆転ゴールもすぐという珍しい試合展開。
5分。
柏木から、走り込んできていた阿部勇樹にボールが渡ったかと思うと、阿部ちゃんはダイレクトで同様に走り込んでいたポポへ。
すると、ポポは迷わず一閃。
マルシオの1点目と同じく、フリーでの得点となった。



今節は立ち上がりから非常に激しく・早いという試合展開となった(特にレッズ。そのため、後半はバテバテで終始アントラーズのペースと言っていいだろう。稀にカウンターからチャンスを作っていたとはいえ)。
14分には、得点とはならなかったが、ミハイロ・ペトロヴィッチの絶大的な信頼を得ている平川忠亮が、カウンターにより中央で爆発的な(自信を持った!)スプリントを見せた。



いくら調子が悪いとはいえ、先制点のようにあなどれないのがアントラーズ。
19分、大迫勇也および興梠慎三がクロスランニングによりレッズマークを振り切り、かつ、スペースを作出すると、そこには遠藤が侵出しターンからシュートを放つが、そのターンが余計だったためレッズDFが陣形を整えてしまった。
アントラーズを代表する2人の日本人FWおよびヴィッセル神戸へ移籍した野沢拓也に替わりアントラーズを引っ張っていくであろう遠藤康がみせた一連のプレーであった。



しかし、アントラーズのそういった未来への構築に、見事、水を差したのが、マルシオが倒されたことにより得たPKであった。
ファールがあった位置はペナルティーエリアの外のように見えるが、そのPKをきっちりマルシオが決め3-1に。



2点差リードによる安堵感だけではない。
相手のプレッシャーがあると前を向けないという彼の弱点がアントラーズのチャンスにつながってしまうところだったのは45分。
DFラインでのボール回し時、そのとき、ボランチからは鈴木啓太が参加していたわけだが、このときもボールを保持したがそのときアントラーズFWがプレス。
案の定、彼は前を向けず、苦し紛れで右の坪井慶介へ。
苦し紛れであったためボールはツボがいたところから大きくずれ、そのボールはカットされる。
あわや失点という場面であった。



後半になり、たとえば55分のように、攻勢を強めるアントラーズ。
そのときは、こぼれ球を遠藤が拾い、シュートを打つがバーに嫌われてしまう。
その後もチャンスを作れどもゴールに結びつかない。
しかも、PKでは?というシーンもあったが、主審の判定はノーファール。



これまで見てきたアントラーズのいなすパスまわしは影をひそめ、見られたのは中盤でのパスミスであった。
これが勝てないことにより自信を失っていくというスパイラルでの試合。
この状況から脱却するためには勝利しかないのだが、はたしてそれが来るのはいつになるのであろうか。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年03月31日

ブーイングは妥当か

2012 Jリーグディビジョン1 第4節 川崎フロンターレ



試合は開始10分で動くことになる。
左サイドで起用され続けることによる自信がプレーに表れている梅崎司。
そのウメは、対峙する相手が柏木陽介による中へのランニングに注意をそらされた瞬間を見逃さず、切り返しにより相手をかわし、正確なクロス。
それを、リーグ初先発となったポポがヘディングでゴールを決める。



キレは攻撃だけでなく、守備でも見せたウメ。
20分。
レッズはコーナーキックを得たわけだが、こぼれ球をフロンターレに奪われ、カウンターを浴びることとなった。
そのボールは左サイドに展開されたわけだが、ウメは相手をそのままサイドに追い込むことにより、味方がコーナーキックから戻るための時間を作ることに成功させていた。



先制したことにより、相手の状況を見極めつつ攻めていたレッズ。
柏木がポポにボールを出し、ポポにつられジェシがディフェンスラインの乱れを作ってしまったところを見逃さず柏木はそこへ飛び込む(フロンターレDFはジェシが作ってしまったスペースを埋めるためにスライドしていなければならなかった)。
再びポポからボールが渡る。
キーパーをかわすまではよかったが、フィニッシュは失敗。



キレキレのドリブルでスタジアムを沸かせることができる山瀬功治は、雨による影響かそのドリブルにキレがなく、対峙する平川忠亮に完封されることになった。
そのため、ハーフタイムで矢島卓郎と交代。
その交代は、レナトのポジションを下げ、小松塁と矢島卓郎を前線に……と思ったが、監督相馬直樹の考えは違った。
大宮アルディージャのラファエルと同様、トップ脇(フロンターレ左サイド)に置くことによりそこを起点とする攻撃構築。
これが実を結ぶこととなったのが同点弾。



59分。
小松のポストプレーから矢島がゴールする。
ゴール前で小松が3人も引き付けたことにより、矢島はフリーになれていた。



同点となったことにより、前へ行かざるを得なくなったレッズだが、74分に阿部勇樹、80分に槙野智章が退場することにより、後半、シュートまでいけていなかったわけだが、レッズのこの試合での目的はより“勝ち点1”にシフトすることとなった。
ゴールキーパー加藤順大を中心に守りに守るレッズ。
その集中力は称賛に値するものであった。



試合後、主審家本正明はブーイングを浴びることとなった。
おそらく、アベちゃんおよびマキノを退場処分としたことに対する不服からだろう。
チャンスを作れず、誰にぶつけて良いか分らない不満を解消するために、なかば八つ当たりのごとく審判にブーイングするなら同情の余地がないわけでもないが、前半に少なくとも得点チャンスを3度も形成できていた。
スカパー!の「レフェリー座談会」で、誰よりも発言していた家本さん。
そこでは、フットボールコンタクトが話題となっていた。
2度目の警告シーンに焦点を当てると、コーナーキックからのカウンターを阻止すため、阿部ちゃんは戦術的ファールとして警告。
マキノにしても、ボールではなく、レナトを止めるための行為であったためイエローカード。
レフェリー座談会の内容と今節のジャッジを照らし合わせると、正当な判定と言えるだろう。
また、1試合で2人を退場させてはいけないというルールはないのだから。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年03月24日

止める技術、蹴る技術

2012 Jリーグディビジョン1 第3節 コンサドーレ札幌



1週間で3度目の試合となった第3節。
そういったハード日程の中、選手たちがどういうパフォーマンスを見せるか。
オフサイドとなり、公式上シュートとはならなかったが、試合開始早々の1分に、原口元気の代わりに出場となった矢島慎也がチャンスを迎えた。
槙野智章がランコ・デスポトヴィッチにボールを渡そうとするがスルーし柏木へ、柏木から矢島にラストパス。



一方、コンサドーレ札幌も内村圭宏がレッズDFの裏を抜け出すが、1度のトラップが帰陣させることとなりシュートコースはなくなってしまった。



この後も両者ともにチャンスを迎えるが決定的なものがない中、32分。
コンサドーレがCKの場面。
蹴った先はボックス内ではなく、ペナルティーアーク。
そこには、フリーとなった山本真希が大きなトラップながらもGK加藤順大にとってDFがブラインドとなった瞬間に放ったボレーは見事な得点を生みだした。



レッズは、序盤こそ左サイド重視の攻撃構築が目立ったが、徐々にそれは右サイドへと移っていく。
決定打となったのは、最終ラインに入った永田充からの大きなボールである。
それを平川忠亮が受け取るとゴールラインぎりぎりでクロス。
そのクロスは、高木純平の背後をとった柏木陽介が落ち着いてゴール。
45+1分という前半ギリギリで同点に追いつくこととなった。



同点に追いついたが、ランコに入るボールは若干のずれがあり、トップで起点を作れていなかった。
また、柏木などもトップに入りトラップしようとするが、それは大きなものとなり同様に攻撃構築を形成できず。
数センチ単位でボールを出す技術、止める技術のなさが露呈した場面でもあった。



61分に、矢島は足をつってしまいポポと交代。
そのポポがペナルティーアークで倒されレッズはFKを獲得。
阿部勇樹がボールを置き直し、指示していたところを柏木がコースを狙って蹴り込み見事な逆転弾となった。
柏木のピークはリーグ中盤かと思っていた(毎年のように見せるスーパーループシュートを基準とすると)のだが、どうやら今季にかける思いはこれまでとは違うものなのだろう。
それがこの試合2得点という結果につながった。



その後も、67分、サイドチェンジから梅崎司がカットインしシュートを見せる。



一方、逆転されたコンサドーレは本当に同点に追い付きたいのか、逆転したいのかと聞きたくなる状況に陥ってしまう。
横パスに終始しレッズDFを脅かすような攻めを見せなかったからだ。
そういった場面を見て忸怩たる思いが李昊乗をレッズゴール前まで突き動かしたのだろう。
また、前田俊介がまだまだ周りとの信頼関係を築けていない場面が見受けられた。
54分である。
前田がヒールで浮かしたボールを前にいる近藤祐介に送るのだが、反応できず。
攻撃にアクセントを加えようと前田を獲得したのだろうが、これでは宝の持ち腐れ。
早くチームに溶け込むことが必要である。



リーグ開幕戦こそ破れたものの、そのあとはナビスコカップを含め公式戦3連勝。
レッズの快進撃は続く。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年03月20日

槙野がいない3バック

ナビスコカップ 第1節 ベガルタ仙台



リーグ戦を考え、槙野智章はベンチスタートとなったナビスコカップ第1節。
3バックには右から、マシュー・スピラノヴィッチ、永田充そして濱田水輝となった。
ここで懸念されたのは、3人ともが4バックだとCBを務める選手たちで構成されているということである。
つまり、攻撃時、SBのようにどこまでWBを助けられる働きを見せられるかがポイントとなった(リーグ第1・2節の槙野の動きと比較してみるとなお分かりやすい)。
SBとCBができるという観点から言えば、岡本拓也こそストッパーに入る選手だと思うのだが……(そして、右WBでは高橋峻希を見たい!と考えていたら思わぬ形でこの右WBが実現してしまった。重傷ではないことを願うばかりだが。ケガをしたのは岡本および山田直輝というユース出身の選手たち。ユースという共通項はたまたまか、それとも若さゆえなのか)。



リーグ第2節で勝ったことおよびホームであるという勢いそのままに7分にレッズはファーストシュートを打つこととなった。
右サイドにいた柏木陽介がサイドチェンジし、ボールは濱田の元へ。
そのままタテに出し、前の宇賀神友弥が受け取り、中へクロス。
中の直輝がヘディングシュート。
ヨコにもタテにもフィールドを広く使うことができた場面であった。



トップ下と言われる選手がゴール前まで攻めていくという理想形を演じたわけだが、ケガによる負傷交代という出場時間が限られた中で、守備面では非常にまずいシーンを作ってしまったこともあった。16分である。
直輝は自分のマークを無視して右サイドにディフェンスに行った。
おそらく彼は守備における数的優位を形成しようと考えた(もっとも、直輝が行く以前に守備2対攻撃1という状況を作出できていた!)のだろうが、詰めていった瞬間に直輝がマークしていた選手にパスを通され、どフリーという状況となってしまった。
このおろかな(ディフェンスともプレスともいえない)行為が失点につながらなくて本当に良かったと思う。
昨季、監督だったゼリコ・ペトロヴィッチの言葉が脳裏をよぎる。
「自分のポジションを守れ」
表面だけをとらえれば、与えられたポジションから逸脱しないポジションサッカーに思われがちだが、実に深い言葉だった。
守備のまずさは直輝だけではなかった。
相変わらずの宇賀神、やる気が裏目に出たのか峻希、彼らがやったのは一発ディフェンス。
フォローが来ているのならまだ許容されるのだが(チェック&フォロー)……。



槙野以外にも3バックで行きそうだと思っているのがスピラノヴィッチ。
なぜなら、これまで散々見せてきたように自身がボールを失いそうになってもつなげる選手だからである。
今節でも2度その場面はあった。
長いドリブルをしたためボールを取られそうになったが、日本人の短足と比べるなと言わんばかりにそこからボールをつなげた。
スライディングでボールキープか……、と思いきや大きなボールとなり見事なパスとなっていた。
結果として彼は警告を2度受け退場になってしまったわけだが、その表情からは何も読み取れなかった。
心中は果たして……。



自陣ゴール前で自身のボールを失ってしまいそうになりあわや失点という場面があったが、ゴールも決めた永田。
ポポがおとりとなりスペースができたところに、マークを振り切った永田がヘディングによるゴール。



アタッキングサードでのワンタッチによる仕掛けを見ているとまだまだこんなものではないはずである。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年03月17日

対等な条件の中で力関係を示した

2012 Jリーグディビジョン1 第2節 柏レイソル



昨季の対戦状況を振り返ると、
第10節は、1分で北嶋秀朗が先制したため、浦和レッズ前監督ゼリコ・ペトロヴィッチのゲームプランは早々に崩れる(3-1でレイソルの勝利)。
続いて最終節、柏レイソルは優勝がかかるという非常にモチベーションが高い中での一戦となった。一方、レッズはチーム目標であった「J1残留」がほぼ決まっていた(得失点差を考えれば「確定」と言っても良いのだが)ため両者のモチベーションは歴然の差であった(またも3-1でレイソルの勝利)。
こう考えると、今節は、試合開始早々に点が入ることなく、また、モチベーションは同じだと言えることから、対等な条件の中で行われた試合であった。



9分、レッズはこの試合初めてのシュートを打つことになる。
それは前節シュート本数0だった原口元気によるものであった。
タテパスが今節トップ下を務めた柏木陽介に入り、そのボールは軽く落とし原口へ。
20分、21分と連続してシュートチャンスを演出することになる。
前者は、槙野智章が左からカットイン。
後者は、コンビネーションから柏木が裏に抜け出した中で。
前述したように柏木がトップ下に入ったわけだが、前節と違い、前線での攻撃構築が明らかにスムーズになっていたのであった。
それもそのはずで、前節、柏木のポジションには山田直輝がいた。
しかし、キャンプ中はオリンピック突破をかけ直輝はレッズにほとんどいなかった。
(それにもかかわらず開幕戦での直輝の起用に驚きを与えたわけだが、その驚きはうれしい物にはならなかった。)
そう考えれば、柏木のトップ下起用は彼の特長およびキャンプでの熟成度を考えれば納得のいくものであった。



前半は非常にレイソルを攻め立てたレッズ。
その努力は得点として反映されることになった。
36分。
貪欲なゴールと言えよう。
鈴木啓太からのタテパスは、柏木がスルーし、ボールはジョルジ・ワグネルの元へ。
ワグネルは、簡単に処理するかと思われたが、利き足である左足でボールを保持しようとしたところ、あきらめずに詰めていたランコ・デスポトヴィッチが自身Jリーグ初ゴールを生むことになる。



また、今季からレッズに復帰した阿部勇樹が、前節のリベロから本職であるボランチにポジションを移して臨んだ。
その起用は90分を通して的中することになる。
昨季JリーグMVPレアンドロ・ドミンゲスを見事に抑え込んだからだ。
レイソルの攻撃はほぼ彼を経由してのものになるため、是が非でも仕事をさせてはならないのであった。
これにより、レッズはレイソルを零封することに成功する。



気になったのは2点。
最終ラインからボールを回しても、中盤で簡単なボールロストがあったこと(シーズン始まったばかりということではなく、意図のないパスにその原因はある)。
2点目は、試合終了後、選手全員による凱歌「We are Diamonds」が歌われたわけだが、ポポだけは(あまり意味が分かっていなかったためか)うれしそうではなかったこと(勝利に貢献できず「悔しい」という気持ちは理解できるが)。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2012年03月10日

苦しむ若手と活きるベテラン

2012 Jリーグディビジョン1 第1節 サンフレッチェ広島



今季はプレシーズンマッチを1試合も見られなかったことから、ミハイロ・ペトロヴィッチが実践していることについて、抽象的には聞いていたものの具体的に初めて見た試合となった今節。
「抽象的」とは、基本は中央を攻めるが、そこから外も使うこともあるということ。
つまり、“ナカ”を使うための“ソト”というわけである。
そのため、右サイドの平川忠亮および左サイドの梅崎司に注目が集まった。
さらに、3バックとされているが、攻撃時にはボランチを務める鈴木啓太が最終ラインまで下がることにより、リベロとの2センターバックを形成する。
そして、3バック時はリベロの脇を固めるストッパーはサイドバックとしての機能も要求された。
すなわち、守備時は3バック、攻撃時は4バックとなっているのであった。
そこで、ヒラおよびウメに注目が集まれば、攻撃時、おのずとその後方に位置することになる濱田水輝および槙野智章についても同様であった。



さて、タイトル「苦しむ若手」は2人いる。
まず、左サイドの槙野については、先日の代表選同様果敢な攻撃参加を見せ、ウメを助けていた。
しかし、物足りなかったのは右サイド。
つまり、濱田についてではあるが、彼はこのポジションが適正かと考えてしまう。
ボランチおよびセンターバックでのプレーは見たことがあるが、ストッパーは初めて見た。
物足りなさを感じたのは、彼にはドリブルはもちろんのことクロスもなかったということである。
槙野のようにある程度のドリブルとそこからのパスがあれば相手に脅威を与えられる。
しかし、彼がやったのは高い位置でボールをもらったのは良いものの、近くの選手に渡すだけであった。
つまり、ドリブルやクロスで相手にプレーの選択を失敗させることがなかった。
ならば、山田暢久をこのポジションで見たい!と思ったが、ベンチにすら入っていなかったのは怪我でもしたのであろうか。



そして、2人目は原口。
昨季終盤からすっかり影をひそめた単騎突破。
今節でもやはり彼には2人マークがついたため、ドリブルを発動させてもらえなかった。
それでも、以前の彼ならドリブルしていたため、無理に突っかけようとしないのは原口が成長していると前向きにとらえて良いのだろうか。
しかし、ドリブルをしない原口ははっきり言って普通の選手である。
なぜなら、山田直輝や柏木陽介のように汗をかく選手ではないし、今季からレッズに復帰した阿部勇樹のように絶対的な守備力を持っている選手でもないからだ。



濱田にしても原口にしてもこれからの伸びしろがまだまだある選手である。
ペトロヴィッチの下、どう苦悩し、成長していくかが楽しみである。



さて、試合を振り返らなければいけないが、「まだまだこれから」というのが本音である。
中央を突きたいけれども、そこはブロックを形成され攻められない(シュートはもちろんのこと、ペナルティーエリア内への侵入すらも困難だった。)。
ならば、サイドはというと前述の通り、左サイドは使えるが、右サイドはヒラ頼み。
そして、今季はゴール前にたくさん選手が攻め上がっていると聞いていたが、ランコ・デスポトヴィッチが投入された時点ですでに彼しかゴール前にいなかった(もちろん、試合開始直後はそうではなった。つまり、ペース配分ができていないのだろう。これではまた夏に苦しむかな)。



この試合唯一の得点場面で歓喜を得ることとなったのはサンフレッチェ広島。
ウメが疲れのためか対峙するミキッチのマークが甘くなったところをその右サイドの覇者がそれを見逃すはずもなかった。
ミキッチが放った低空クロスに対し、コースがなくゴールする可能性は限りなく低いが今季大宮アルディージャから加入した石原直樹はゴールゲッターとしての才能をいかんなく発揮したジャンピンボレー。
そのこぼれ球を佐藤寿人が詰めたのであった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年12月17日

交代によるメッセージ~アタッキングサードでの努力~

第91回天皇杯 愛媛FC



2007年から5年間で3度目の対戦となる愛媛FC。
レッズは、従来と違い、右サイドバックに平川忠亮、左サイドバックには山田暢久を置いた。
もっとも、この配置にした理由は試合開始直後に判明するのであった。
というのも、ヒラの一列前にはマルシオ・リシャルデスがいるわけだが、彼のキープ力により、マークが集まり、その前にはスペースができる。
そこへヒラが走り込む……というスタート(ヒラの足の速さを活かした戦い方だが、横浜Fマリノスからレンタル移籍中の齋藤学は、よ~いドン!でヒラを止める一方で、攻撃ではヒラを置き去りにする俊足を見せた)。
反対に、左サイドは、リーグ終盤になりレギュラーの座を確保した梅崎司が果敢に攻め、そのケアをヤマが務める一方で、隙あらばヤマ自身もオーバーラップしていた。



予想通りというべきか、愛媛FCはラインを低く設定し守りを固めてきたため、レッズは攻めあぐねる。
しかし、レッズにはこの男がいた。
今季その直接FKでの得点力の高さを買われ、アルビレックス新潟から加入したマルシオ。
リーグではその力を発揮できないでいたが、とうとうその片鱗を見せることとなった。
9分。
「風を利用した」http://www.urawa-reds.co.jp/topteamtopics/vs%e6%84%9b%e5%aa%9b%e3%80%8c3%e5%be%97%e7%82%b9%e5%a5%aa%e3%81%84%e3%80%81%e6%ba%96%e3%80%85%e6%b1%ba%e5%8b%9d%e9%80%b2%e5%87%ba%e3%80%8d/そのFKは相手にあたりながらも決まる。
リーグ終盤では柏木陽介およびウメがキッカーを務めたわけだが、ここへきてのマルシオであった。



その後も前述した同じ状態。
山田直輝がオトリ走りでスペースを作るが、味方選手がそこへ走り込まないことから連動できないという、敵だけではなく自らもチャンスを作り出せずにいた。
そのような中、セットプレーでの得点が少ないレッズがまたもそれにより得点する。
38分。
左コーナーキックからふわりとしたボールはGKの頭上を越えファーで待ち受けていたヤマが原一樹へボールを落とす。
これを原が押し込み2点目。
ボールがキーパーを超えるとともに愛媛FCはボールウォッチャーに。
そのすきを突いたゴールであった。



チャンスらしいチャンスはセットプレーでしか作れなかったレッズ。
一方、愛媛FCは関根永悟を中心にDFが攻撃参加を見せ(オトリ走りも含め!)、攻撃に厚みを出していた。



レッズは3点目を決めこの試合をクローズすることになるが、その布石となったのが、69分のウメと宇賀神友弥の交代。
そして、ウガは、これまで起用されてきた左SBでも右SBでもなく、ウメと同じ左サイドハーフというウガがもつ攻撃性を活かすポジションでのプレーとなった。
ウガの投入により、“守り抜く”ではなく“攻め抜く”をメッセージとした交代であった。



そして、その3点目は77分。
アタッキングサードで鈴木啓太から原にタテパスが入る。
すると、原はボールを、中に侵入していたウガへ、最後に柏木へと渡りゴール。
アタッキングサードでの努力が報われた瞬間であった。



このまま試合終了を迎えればパーフェクトだったが、そこはリーグ15位で終わったレッズ。
気の緩みからか愛媛FCに1点を許してしまう。
ロビングボールを、途中出場の福田健二が、彼に渡る前に飛び出してキャッチするか迷っていた山岸範宏の頭上を越す技ありヘッドで来季へとつなぐ1点を決めたのであった。



天皇杯5回戦進出を決めたレッズ。
次なる相手はJ2優勝を決め1年でのJ1復帰を決めたFC東京である。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年11月04日

アルベルト・ザッケローニが視察で学んだこと

Jリーグ ディビジョン1 第31節 ジュビロ磐田



山田直輝および鈴木啓太という中盤の主軸がそろって出場停止。
そのため、誰が彼らの代わりとなるかに注目が集まったが、それぞれ高橋峻希(直輝のポジションではなく右サイドハーフ)および小島秀仁となった。



試合開始早々にレッズは打って出る、1分。
左サイドバック平川忠亮から1トップを務めるエスクデロ・セルヒオへ大きなボール。
そのボールをセルは後ろにいた柏木陽介に落とし、さらにそこから右サイドから中央にポジションを移していた峻希へ、という展開を見せたのであった。



しかし、スタートは良かったものの徐々にレッズは自らブレーキをかけていくことになっていく。
たとえば、5分だと、梅崎司が左に張りボールを保持していたが、ウメよりも前へ行く動きを見せず、その後ろに構えるだけだった原口元気。



そのような中でも、11分。
柏木の中盤での雑なパスはカットされると思ったが、ウメがフォローし、セルへとつながった。
雑なパスでもつながるのは本来のポジションに固執するサッカーから解放された証か(フットボールへの進化!?)。



ジュビロは、12分に前田遼一のゴールで先制するものの、良い形だったのは40分くらいであった。
アタッキングサードで前田がポジションを後ろに下げたために空いたスペースを別の選手が飛び込みその選手へパスが通るというシーン。
一方、レッズの攻撃は、セルへ大きなボールを渡すのみで中盤で構築できず。
そのセルは、ジュビロのタイトなマークにあい、いつものテクニカルなトラップを発揮できず、ましてやフィジカルを活かしたキープも見せることができるはずがなかった。
しかも、セルの位置から味方選手との距離は遠いため、セルに誰もフォローに来る選手はいないことからさらにレッズの攻撃構築は困難を極めていた前半であった。



後半もセルにボールはおさまらないことから責任の所在がセルにあると思ったのか、66分にそのセルは、ランコ・デスポトヴィッチと交代。
しかし、人が替わるだけでそのフットボールが変わるレッズではない。
セルと比べればその長い手足を使いキープはしやすくなるが、相変わらず味方フォローなしという状況。



2点目は54分に山崎亮平のゴールだったが、とうとうきまったジュビロの3点目は67分にまたも前田。
その3点目は見事にレッズの左サイドを崩され、中にいた前田の高い得点力を証明づけたものであった。



しかし、出場機会を得た峻希は足が止まりだしそうな70分から何とか打開しようとする。
具体的には、裏への飛び出しの姿勢を見せる……がボールは来ない。
82分には、ランコおよびウメがスペースを作るため左に流れ、そのスペースには77分に峻希と交代で入ったマゾーラが侵入。
さらに、85分には秀仁が前線の選手たちを越えていく動きを見せるが峻希のときと同様ボールは来ず……。



試合を決定させた前田および山崎は、互いが近く、補完し合う関係を築けている。
日本代表監督アルベルト・ザッケローニは学んだ。
日本代表では結果を残せない前田。
しかし、今節のようにJリーグでは見事に結果を出している。
この相反する結果は、前田の周りとの距離にある。
つまり、ザックは今節で「前田の近くにはフォローできる選手が必要。だから、同じチームでコンビを組む山崎も代表に呼ぶ。」ということを学んだはずである。
個が強すぎる代表では前田のために働く者はいない。



そして、試合終了後、埼スタの大型ビジョンに映った柏木の後姿は物悲しさを語っていた。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年10月26日

シーズン終盤に復帰でき活躍

Jリーグ ディビジョン1 第30節 横浜F・マリノス



3年ぶりに日本人で構成となったスタメン。
やはり、レッズは(ドイツから移籍してきた高原直泰も含め)外国人を獲得・起用するのが下手なのかと一抹の不安を覚え始まった一戦。



その不安はある意味、的中してしまう。
4分という早い時間帯での失点。
しかし、これは波戸康広をほめなければならない。
渡邉千真がレッズの右サイドからカットインし、シュートを打つがブロックされこぼれ球に。
そのこぼれ球にいち早く反応した大黒将志が先制点を奪う。
レッズDFが壁になったせいで加藤順大は一歩も動けずゴールを許してしまった。
この前提として、エスクデロ・セルヒオが中盤でボールを奪われ、ショートカウンターにあった。
ボールを奪ったのは別選手だったが、その中盤からボールをつなげ、さらにダッシュしゴール前では渡邉のためにオトリ走りをしていたのが波戸康広だったのである。
波戸の“走り”が生んだゴールであった。



4分という早い時間帯に失点してしまったレッズ。
今日もはやりダメなのか……という色は選手たちにまったくなかった。
22分。
中盤で相変わらず一発DFをしてしまった宇賀神友弥……。
で終わらず、柏木がフォローにすぐに入るという選手間の距離の近さが見られた(チェック&カバー)。



24分。
ナビスコカップから好調を維持している梅崎司は右サイドからウガへサイドチェンジ。
選手が動くので、ボールも動き、攻撃構築がスムーズになってきたレッズ。
27分。
山田直輝からのボールを受け取った原口は鋭き切り返しでマークを外しシュートを打つが惜しくもバー直撃。



守備面では39分。
鈴木啓太がマークのために4-1-2-3の「1」からポジションを逸脱して前にポジショニングすれば、すばやく啓太がいたスペースには柏木陽介が入るという“連動”を見せた。



サイドチェンジからウガが1対1へと持ち込むケースが目立ったが、試合後コメントによると、原口元気「ウガを上げようという話になってました、ウガの良さはやっぱり仕掛けさせることで出てくると思うので、ウガを上げるっていうのは僕も意識してやってたし、それがうまくハマったと思います」http://www.urawa-reds.co.jp/tools/page_store/news_7474.htmlチームの、原口の意図も反映しての攻撃構築ができた前半だった。



そのように高い位置をキープできたウガだったが、48分。
またも一発DFをしてしまったが、タテのポジションチェンジをしていた原口が後ろでボール奪取に成功したのは48分。
そういった原口の努力はすぐに報われることになる。
50分。
直輝が蹴ったPKのこぼれ球を栗原勇蔵はクリアするがそのボールは原口の元へ。
それを原口がプッシュし同点。



52分には、右サイドでヒラがドリブルしているさらに右をウメが走るというチームのための“走り”がたしかにあった。
今節のレッズは、努力に対し報われていた。
61分に逆転ゴール。
中盤で柏木の素早いリスタートからボールをもらったウメは右サイドから中へ切り込んでいく。
そのとき、右にはセルおよび左には原口という2人を従えていたが、好調をアピールするかのようにそのまま左足でシュート!



この後、マリノスは、途中出場のキム・クナンおよび栗原(栗原のポジションには同じく途中出場した青山直晃が入った)を前に出しパワープレーに打って出るが、それをレッズDFがことごとく跳ね返す。
今節のマリノスの攻撃は流れの中で効果的なものを生み出せず、FKおよびCKというプレースキックでしかチャンスらしいチャンスを作れなかった。
しかし、そういったプレースキックの中で経験の差を見せつけたのが中澤佑二。
79分に代表されるように、彼のマークを担当した濱田水輝をことごとく振り払いフリーになるが、マリノスにとって不幸だったのは中澤にボールが渡らなかったこと。



一方、レッズの攻撃構築。
今季はこれまでロングボールを主体に構築していたが、この試合では目立ったロングボールはなくあえて言うと、60分にウガが原口に出したぐらいであった。
すなわち、CB永田充および水輝からのロングボールは消えうせてしまっていたのが今節の特徴であった。



昨季、シーズン終盤に活躍した選手といえば高橋峻希。
その峻希は勢いのまま今季レギュラーを奪取し活躍。
とすれば、ウメに対しても、同じことを願ってしまう。
ケガをせず、来季も……と。
その前に、J1残留を決めなければいけないのだが。
とにもかくにも、これでレッズはJ1で9試合ぶりの勝利となった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年10月16日

ミニキャンプの効果!?

ヤマザキナビスコカップ ヤマザキナビスコカップ準々決勝 セレッソ大阪



レッズは、リーグ第28節ガンバ大阪戦を終え、そのまま大阪に残りミニキャンプ実施後に挑んだこの試合。
その成果が出たのか、開始早々に先制点を生む。
9分。
相手陣内深くの右サイドで梅崎司がボールを奪われそうになったが、山田直輝がフォロー。
そのまま直輝は素早く低空クロスをGKとDFの間に入れるわけだが、それが茂庭照幸のオウンゴールを誘う。



また、18分には、フィールド中央にいた鈴木啓太からアタッキングサード左の山田直輝へとサイドチェンジが行われた。
さらに、21分。
ウメがハーフラインからドリブルを開始すると、そのままシュートまで持ち込んでいく場面もあった。
36分には、柏木が走りを見せる(16分にも、合いこそしなかったが、柏木の飛び出しがあった)。
ボールは直輝からエスクデロ・セルヒオへ。
その2人の間を柏木が走り込み、セルから柏木へとボールは渡りシュート。
このように、積極的な攻撃参加する姿が久しぶりに見られたのであった。



レッズは前半、高い位置でのボール回しができ、そこから前述のような柏木の攻め上がりがあり攻撃に厚みを加えられていた。
一方、セレッソは、サイドからの攻撃構築ができず、シュートまでもっていけない。さらに、守備では、プレスが弱いため、レッズに良いようにボールを回されていた。



53分。
レッズは中央を通され、倉田秋は加藤順大と1対1を迎えるが、これは加藤の勝利で難を逃れる。



レッズも負けてはいない、58分。
柏木のふわりとしたパスが直輝へ。
その直輝はチェストパスをランコ・デスポトヴィッチに送ると、ランコはそのままシュート。
続く、59分。
左サイドで直輝からウメへとボールが渡る。
その2人の間を柏木が走ることにより、柏木はオトリに。



セレッソも黙ってはいない。
60分。
小松塁が裏に抜け出しシュートを打つが、惜しくもポストに当たる。
そして、72分。
61分に扇原貴宏と代わり播戸竜二が出場したわけだが、その播戸から小松へふわりとしたパスを出したが、こぼれ球に。
そのこぼれ球を、ファビオ・ロペスが詰め同点に追い付く。



しかし、この試合、これで下を向くレッズではなかった。
83分、ランコが勝ち越しゴールゲット。
ランコのポストプレーからボールは柏木へ。
その柏木から右のウメ、そこから早いクロスを入れると、セルがニアで茂庭をひきつけ、再びボールをもらうために動き出していたランコがヘディングシュート。
複数の選手が絡み合いながら得点を決め、見事に勝利をつかんだのであった。


にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年10月15日

目撃したのは“ダービー”ではなく“残留争い”

Jリーグ ディビジョン1 第29節 大宮アルディージャ



今節はさいたまダービー。
ということで、熱く激しい試合を期待した。
しかし、両者ともに残留争いをしている。
つまり、ダービーということで、前から仕掛ける攻撃の応酬となるか。
それとも、J1に残留するため、危険を冒さずとにかく失点をしないという守備的な戦いどちらになるのかに興味がわいた。



また、両チームの現状で言うと、レッズはナビスコでセレッソ&ガンバという大阪勢を倒し、決勝へ。
しかし、アルディージャは天皇杯で福岡大学という(大学では強豪ながらも)大学生相手に負けている……という勢いでは正反対の両チーム。
果たして試合は……?



試合は静かに始まった。
ようやくのチャンスは22分。
右サイドでエスクデロ・セルヒオ、ランコ・デスポトヴィッチそしてマルシオ・リシャルデスへとボールはつながり、中の梅崎司はヘディング。
そして、直後の23分。
またもウメが絡みチャンスを作る。
左サイドにいたウメから素早く中へパス。
マルシオはそのボールを受け取ろうとするが、トラップがうまくいかない。
そのこぼれ球をランコがシュート。



一方、同じくJ1に残留するためには負けられないアルディージャは34分。
ラファエルがノールックパスにより、後ろから駆け上がってきた上田康太のシュートを導き出した。



寂しい試合ながらもウメおよびセルを中心にチャンスを作ってきた(守備面では濱田水輝がマシュー・スピラノヴィッチをベンチに追いやったことに関し納得のプレー)前半。
後半での加速を期待した。



49分。
左コーナーキックを手に入れたレッズはウメがキッカーを担当。
ナビスコのセレッソ&ガンバ戦をまだ見ていない私は驚いた。
あのマルシオがいるにもかかわらず、ウメが蹴ったのだから。
このCK自体は、永田充および濱田水輝がニアへおとりになったところを、柏木が。



チャンスを作れた時にはそれが続くもの、53分。
セルが重戦車ドリブルを見せたかと思えば、そのままフィニッシュに行かず、よりゴール成功率が高いと思われたランコへボールを渡す。
しかし、ランコは北野貴之との1対1を決められず。



その53分には対照的なシーンがあった。
平川忠亮と加藤順大の2人の関係である。
いや、むしろ加藤だけに言及するものだ。
加藤といえば、前への姿勢が高い選手であり、たとえば、それが仇となりヴァンフォーレ戦では退場になったほどである。
しかし、この時間は違った。
レッズはカウンターをあび、ボールはレッズペナルティエリアまで迫っていた。
そこをヒラは必死に体を張って加藤にボールを拾わせようとした。
しかし、加藤は出てこなかった。
彼に何があったのだろうか。
このような守備面だけでなく攻撃面でも悪影響は及んでいる。
先発し始めたときと違い、早い攻撃構築や体を投げ出してのスローイングはめっきりと影をひそめてしまった。



サイドバックの攻め上がりは非常に少なかったが、効果的だったのは56分。
マルシオがボールキープしているところを、ヒラのオーバーラップ。
そこにマルシオはふわりとしたパスで合わせた。



75分、そのマルシオは交代し、山田直輝が出場。
その直輝は、82分には、ボランチの位置まで下がってボールを受け取り試合をコントロール。
そのとき残念だったのは、その直輝からボールを引き出す動きもせずボーっと立っているだけの鈴木啓太の姿があったこと。
さらに、数分後にはボール回しの邪魔をしたシーンまでもがあった……。



試合は80分を過ぎ、このまま引き分けかと思われたが、84分。
またもやこの男が試合の勝敗を決定づけた。
ラファエルである。
レッズの右サイドを突破した橋本早十は早いクロスを中に投げ込む。
それに虚を突かれたのかは分からないが、中にいた永田および水輝は何もできず、ただラファエルの素晴らしいヘディングを見守るしかなかった。
ラファエルの80分間はサイドでポストプレーをするだけというレッズに対し脅威を与えるものではなかった。
しかし、たった1度のビッグチャンスをゴールに結びつけた。
一方、レッズはかつての姿を見るようであった。
横からのボールに弱く、当時レンタル移籍でモンテディオ山形に所属していた現鹿島アントラーズの田代有三にヘディングシュートをことごとく決められていたころを。



0-1の敗戦。
この結果を受け、とうとうレッズは16位という自動降格圏へ。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年10月05日

第1戦を勝利で終えた中での第2戦の戦い方

ヤマザキナビスコカップ ヤマザキナビスコカップ2回戦第2節 大宮アルディージャ



第1戦をレッズが2-0で勝利したことによりアルディージャにはほぼ逆転の可能性がないことおよびJリーグでは両チームが残留争いをしていることから、この試合へのモチベーションは両チームともに低いものと思われた。
しかし、大宮アルディージャは、レッズよりもさらに低かったようだ。
試合への入り方である。
6分。
鈴木啓太が空っぽのバイタルエリアへ侵入。
右サイドバックに入った山田暢久はその意図を読み取りボールを渡す。
すると、啓太はダイレクトで前にいる山田直輝へ。
そして、直輝からボールはランコ・デスポトヴィッチへと渡り、ランコのゴールは生まれた。
そして、とどめを刺したのは23分、またもランコである。
中盤で、直輝および原口元気がプレスをかけ、原口がボール奪取に成功すると、原口はドリでそのまま前へ。
右にランコ、左に直輝が並走する中、深谷友基が直輝の方に一瞬重心をかけた。
そのため、ラストパスの行き先はランコになったのであった。



アルディージャの頭の中には既にナビスコカップはなく、あったのはJ1残留の文字だけだったのだろうか。
緩慢な守備のせいでレッズのドリブラーに簡単に突破される。
攻撃は、単発なものが多く、73分の金澤慎のゴールにしても、彼の個の力に起因するもの。



そういった試合の中で、今季初スタメンとなった梅崎司に触れないわけにはいかない。
よく動き、さらには仕掛けることによる攻撃の活性化。
一方、守備でも最終ラインまで戻り相手に最後まで食らいつく姿勢。
ほぼ消化試合の第2戦でも彼の復調を見られたのは非常に大きな成果だった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年10月02日

失われたタテへの早さ

Jリーグ ディビジョン1 第28節 ガンバ大阪



ガンバ大阪は首位を走るチーム。
一方、浦和レッズは降格争いをしているという順位では相反するチーム同士が戦った一戦。
その順位の差はゲーム内容に表れる。
ガンバは淡々とボールを回しゴールに迫れるが、レッズは中盤でボールを失うことが少なくなかった。
これではガンバ先制は時間の問題と思われた。



そのような中、15分。
原口元気から山田直輝へボールが渡ると、その直輝からロングスルーパス。
そのボールを受け取った、ランコ・デスポトヴィッチがレッズのファーストシュートに持ち込む。
ボールが意思を持ち、躍動した瞬間だった。
そして、直後の16分。
この試合、右サイドバックに入った宇賀神友弥からサイドチェンジで原口にボールが渡ると、その原口から直輝へ渡り、シュートというシーンを演出する。



このように徐々にレッズが巻き返すかと思われたが、28分。
ガンバがこの試合で生まれた唯一の点をとることに成功する。
その起点は、遠藤保仁。
彼は中盤でボールを持つと、マークがいないため、易々とロングボールをイ・グノに蹴り込む。
すると、レッズDF裏へ抜け出したイ・グノは加藤順大との1対1を制し、見事フィニッシュ。
このシーン、ロングボールを出す選手にマークがいかず、失点が生まれるというこれまでと同様であった。



まるで規制されているようにアクションが少ないレッズ。
そのため、後半での巻き返しが期待された。
そのような中、41分に警告を受けた左サイドバック野田紘史が山田暢久とハーフタイムで交代。
その山田暢久は右サイドバックに、ウガは左サイドバックにポジションを移し後半を迎えた(サイドバック平川忠亮および高橋峻希が負傷中であり、すでに24分にウガも警告を受け、ウガはこれで累積4枚目。野田がさらに警告を受ければ、サイドバックがいなくなるため、野田を下げた)。



64分に小島秀仁に代わり梅崎司が投入され、それにより前線に若干の躍動感が見られたが、それは一時的なもので終わってしまった。
反対に、ガンバは、マシュー・スピラノヴィッチと永田充の間を抜けるようにラフィーニャが幾度もゴールへと迫る。
しかし、決定的チャンスをつぶしてしまったわけだが、そこには加藤の貢献があった。
またも加藤がいなければレッズは崩壊していた、という試合であった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
  

2011年09月24日

6位と15位の試合であり、そうではなかった

Jリーグ ディビジョン1 第27節 鹿島アントラーズ



第26節が終了した時点でレッズは15位。
すなわち、1つでも順位を落とせば降格というがけっぷちという状況に置かれた。
降格争いをするレッズを私は初めて見るので、どういった心理状態でこれからの試合に臨むのかに興味がわいた。



この試合を端的に表現すれば、「6位と15位の試合であり、そうではなかった」ということである。
すなわち、ゴールを決められず、勝てないからその順位にいる。
一方、多くのチャンスを作り出す構築はその順位にいるチームのものではない、とも言える。



27分。
アレックスが深くえぐり、田代有三にボールを渡すが、どフリーで余裕を持ちすぎたため、頸椎捻挫の宇賀神友弥と代わって出場した野田紘史のブロックにあう。



30分。
原口元気は左でキープしているところ、柏木陽介がボランチの位置から上がるがボールは合わず。



38分。
曽ヶ端準からの大きなボールは、一気に前線の田代へ。
その田代から大迫へと渡りシュートに持ち込む。
たった2本のパスでシュートへ持ち込める力を示したシーンだった。



45分。
レッズはカウンターから、原口がドリブルで攻め込む。
そして、その前を走っていた小島秀仁へスルーパス。
その秀仁は、右足でシュートへ持ち込むが決められず。
忘れてはいけないのは、彼らの右をマルシオ・リシャルデスはずっと走っていたという事実である。
後半になり、そのマルシオには、山田直輝から絶好のロングパスが通ったのだが、これも決め切れず。



前半、レッズは中盤でのパスミスが少なくなく(このパスミスを誘引したのはアントラーズの早いヨセ)、そこからの(ショート)カウンターで攻撃にさらされる(バーやポストに当たるという運も味方につけていた)。
一方レッズは、その攻撃を耐え、(フットボールに適した気候だったためか、早い)カウンターでの攻撃を余儀なくされる。
後半、とくに両チームが疲れ切ったためにオープンな試合展開となったときには、それぞれの順位にはふさわしくない、力がある者同士の戦いとなった。
そして、アントラーズがより多くのチャンスを作ったが、結果は0-0の同点。
レッズとしては、今のチーム状態を考慮すると、喜ばなければいけない勝ち点1であった。

にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
にほんブログ村
blogram投票ボタン