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2012年10月06日

der Zweikampf ~日本のツケ~

2012 Jリーグディビジョン1 第28節 コンサドーレ札幌



レッズの試合開始前に行われた首位サンフレッチェ広島のゲームは引き分け。
勝ち点を縮める絶好のチャンスとなるはずだった今節。
相手は前節最速でJ2降格が決まったコンサドーレ札幌であった。
格下とも思える相手に勝ち点3は確実のはずだが、レッズには苦い思い出があった。



2007年最終節。
相手は横浜FC。
そのときも降格が決まった直後の試合。
一方、レッズにとっては、優勝がかかった試合。
結果は負け。
鹿島アントラーズに逆転優勝を決められた2007年だった。



両チームともフォーメーションは3-4-2-1であり、同じフォーメーション同士がぶつかり合うミラーゲームとなった。
そのとき大切なのは、対面する相手に負けないことder Zweikampf。
日本フットボール界のツケだ。
“数的優位”という言葉が独り歩きし、まるで1対1がダメな風潮がある。
まずは、“1対1”のはずなのに。
それを体現したのは、前節同様、少ないながらもドリブルを見せ始めている坪井慶介。
今節では、9分および28分だった。
ドリブルで勝てると思ったから、勝負する。
経験からの還元だった。



しかし、チームメートはその考えではなかったようだ。
1対1を仕掛けようとせずに。
昨季、何を学んだのであろうか。
ゼリコ・ペトロヴィッチの元、1対1の重要性を学んだはずなのに。
もちろん、相手ディフェンスラインは低く、スペースがなかったことは考慮に入れなければいけないが。



18分にみせたように、まずまずの動きを見せた原口元気。
前節、前半途中に交代という屈辱を味わった。
このとき、スペースを作るために自身のポジションを下げ、そこにマルシオ・リシャルデスを飛びこませた。
そのとき、パスを出した柏木陽介。
今節も中央3人が中心となり攻撃を構築していくのかと思われたが、試合が展開されたのはサイド。
しかも、闘わなかったサイド(まぁ、中央から逃げたわけだから、「闘わなかったセンター」とも表現できる)。



マルシオを中心に得点チャンスは2度あった。
32分。
柏木のふわりパスに抜け出し、キーパーとの1対1を迎えたわけだが、シュートか、原口へのパスかよく分からないボールを出し、ボールはゴール横にそれた。
もう一つは、フリーになったところで大きく外した場面。



レッズとは対照的に闘っていたのはコンサドーレ。特に後半。
前半は、アタッキングサードで動きがなかった。
というのも、ボールをそこまで持って行くのが精一杯で、最終ラインからの全力ダッシュで疲れ果てていたからだ。
しかし、50分に先制したことにより、俄然やる気が出たようだ。最後の一歩が。
得点者は、古田寛幸。
素早いターンで永田充を交わし、利き足ではない右足でゴール左上に決めた。
そして、2点目も古田。
ボールはディフェンスライン裏に抜け出した。
コースを切れば良いのに、不用意なスライディングを繰り出した槙野智章。
それを踏ん張って交わし、あとは落ち着いてゴール。
スカパー!での解説・野々村芳和さんは「つなげるため」とおっしゃっていたが、それでは槙野が成長しない。
失点につながったのは事実なので、きちんと批評しなければ。










この試合、良かったのは次の世代の主審が育っていること。
主審・福島孝一郎さん。
弱冠28歳ながら試合をきちんとコントロールし、ゲームの主役になることがなかった。
(闘わせるところは闘わして……と書きたかったが、1対1は少なかった。よって、闘わせるためにプレーを流すことが少なかった。)
(試合前、井上さんの姿が見えたので彼が主審かと勘違いしていた。)


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