2011年05月08日
「分析」から得られるもの
Jリーグ ディビジョン1 第10節 柏レイソル
ゴールデンウィーク3連戦が終わりました。
それぞれが中3日であるため、主目的が疲労のリカバリーとなることから、戦術的改善は期待できません。
ということで、この3戦をセットに考えた方が良いなと思ったのですが、見事にそれが的中してしまいました。
そのすべてを集約したのが3戦の相手監督(以下、「GW3監督」とする)の試合後コメントでした。
手倉森誠さん
「……名古屋が浦和にやられたようなことを逆に自分達がやれればと思って、今日のような戦術を組みました……」
http://www.vegalta.co.jp/contents/schedule/league/2011/04/8.html
木村和司さん
「……ブロックを作っていけば中に入ってこられないなっていうのは、「分析」の中にありました……」
http://www.urawa-reds.co.jp/tools/cgi-bin/view_sokuhou.cgi?action=view&id=1360
ネルシーニョさん
「……「分析」してプランニングしてそのとおりのゲーム運びができた……」
http://www.urawa-reds.co.jp/tools/cgi-bin/view_sokuhou.cgi?action=view&id=1361
そう共通するのはレッズを「分析」してきたということです。
フットボール界では試合に臨むうえで2つの方法があります。
1つは自分たちがやりたいフットボールを突きつめ、語弊が生じるかもしれないが相手をあまり「分析」しない。
もう1つは、GW3監督のように、相手を「分析」し対戦に臨むというやり方。
どちらが正解ということはありませんが、この3連戦を見た限り、結果は歴然。
GW3監督のやり方が正しいと判断されてもやむをえませんでした。
では、GW3監督は「具体的に何をしたか」について言及しなければいけません。
その答えは、私が出すまでもなく、GW3監督が丁寧に試合後コメントで明らかにしてくれていました。
前提として「中でブロックを作れば入ってこられない」(木村さん)、もし、ブロックへの侵入を許したとしても、「ブロックの間に入ってきたところを、マークを明確にしてうまく全員がチャレンジアンドカバーをしてプレスバック」。
たしかに、今節に限っては、試合開始直後の失点でゼリコ・ペトロヴィッチが用意したプランが崩れたかもしれません。
しかも、レイソルは昇格したチームにもかかわらず、これまで3勝1敗という自信に満ち溢れていた(レイソルと対戦するチームにとっては、「試合開始直後の失点」「自信」という「負の2要素」!)
しかし、相手をしっかりと「分析」し、かつ、ベガルタおよびマリノス戦を「反省」していれば、2失点目が生まれなかった可能性は限りなく高いものでした。
冒頭で「戦術的改善は期待できない」と書いておきながら、ここで「反省」と表現するのは矛盾しているかもしれません。
ここで、興味深いのは、前監督と現監督の出だしの正反対さ。
前監督フォルカー・フィンケ時は、第1節で鹿島アントラーズに負けて以来、ナビスコカップを含め第11節川崎フロンターレ戦まで8勝2分1敗。
反対に、今季から新しく就任したペトロヴィッチの下では、1勝4敗(その内、無得点3試合)。
この出だしの悪さが導く先にあるものは。
勝てないと不安になってくるからね。
そこで、この雰囲気を変えようと思ってしまうわけで、それの一番簡単な方法が監督交代。
しかし、これではなぜ監督をフィンケからペトロヴィッチに替えたのかが分らなくなる。
フィンケの下、そのやり方を熟成させるという方向性もあったのだから。
監督解任権を持つ人間が愚かな判断をしないことを願うばかり。
試合後、選手たち全員が下を向いていました。
たった1人を除いて。
それが、原口元気でした。
彼はサポーターから浴びせられるブーイングおよび批判を正面から受け止めるために顔を上げているようでした。
中を固められているにもかかわらず愚直にもそこへ仕掛ける姿勢を見せ続ける原口。
その姿勢が実った10代最後のゴール。
原口のように、下を向いている暇はない。
15日セレッソ大阪戦は待ってはくれないのだから。
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ゴールデンウィーク3連戦が終わりました。
それぞれが中3日であるため、主目的が疲労のリカバリーとなることから、戦術的改善は期待できません。
ということで、この3戦をセットに考えた方が良いなと思ったのですが、見事にそれが的中してしまいました。
そのすべてを集約したのが3戦の相手監督(以下、「GW3監督」とする)の試合後コメントでした。
手倉森誠さん
「……名古屋が浦和にやられたようなことを逆に自分達がやれればと思って、今日のような戦術を組みました……」
http://www.vegalta.co.jp/contents/schedule/league/2011/04/8.html
木村和司さん
「……ブロックを作っていけば中に入ってこられないなっていうのは、「分析」の中にありました……」
http://www.urawa-reds.co.jp/tools/cgi-bin/view_sokuhou.cgi?action=view&id=1360
ネルシーニョさん
「……「分析」してプランニングしてそのとおりのゲーム運びができた……」
http://www.urawa-reds.co.jp/tools/cgi-bin/view_sokuhou.cgi?action=view&id=1361
そう共通するのはレッズを「分析」してきたということです。
フットボール界では試合に臨むうえで2つの方法があります。
1つは自分たちがやりたいフットボールを突きつめ、語弊が生じるかもしれないが相手をあまり「分析」しない。
もう1つは、GW3監督のように、相手を「分析」し対戦に臨むというやり方。
どちらが正解ということはありませんが、この3連戦を見た限り、結果は歴然。
GW3監督のやり方が正しいと判断されてもやむをえませんでした。
では、GW3監督は「具体的に何をしたか」について言及しなければいけません。
その答えは、私が出すまでもなく、GW3監督が丁寧に試合後コメントで明らかにしてくれていました。
前提として「中でブロックを作れば入ってこられない」(木村さん)、もし、ブロックへの侵入を許したとしても、「ブロックの間に入ってきたところを、マークを明確にしてうまく全員がチャレンジアンドカバーをしてプレスバック」。
たしかに、今節に限っては、試合開始直後の失点でゼリコ・ペトロヴィッチが用意したプランが崩れたかもしれません。
しかも、レイソルは昇格したチームにもかかわらず、これまで3勝1敗という自信に満ち溢れていた(レイソルと対戦するチームにとっては、「試合開始直後の失点」「自信」という「負の2要素」!)
しかし、相手をしっかりと「分析」し、かつ、ベガルタおよびマリノス戦を「反省」していれば、2失点目が生まれなかった可能性は限りなく高いものでした。
冒頭で「戦術的改善は期待できない」と書いておきながら、ここで「反省」と表現するのは矛盾しているかもしれません。
ここで、興味深いのは、前監督と現監督の出だしの正反対さ。
前監督フォルカー・フィンケ時は、第1節で鹿島アントラーズに負けて以来、ナビスコカップを含め第11節川崎フロンターレ戦まで8勝2分1敗。
反対に、今季から新しく就任したペトロヴィッチの下では、1勝4敗(その内、無得点3試合)。
この出だしの悪さが導く先にあるものは。
勝てないと不安になってくるからね。
そこで、この雰囲気を変えようと思ってしまうわけで、それの一番簡単な方法が監督交代。
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彼はサポーターから浴びせられるブーイングおよび批判を正面から受け止めるために顔を上げているようでした。
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改めて露呈したレッズ攻略の鍵
der Zweikampf ~日本のツケ~
直輝に続き、スイッチャー柏木の不在
1年前からの課題は解決されていなかった
自信がもたらした苦手意識払拭
勝たなければいけない相手に勝つ
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Posted by sanukireds at 13:11│Comments(2)
│浦和レッドダイヤモンズ
この記事へのコメント
こんばんは
やられましたね。。。
そしてやれなかった3試合でもあります。
今見えているもの、今できることをしっかりとやること、やりたいことをもう一度はっきりさせること、この辺りを短い間にやって、セレッソ戦に臨んでほしいと思います。
今はそうとしか‥‥
やられましたね。。。
そしてやれなかった3試合でもあります。
今見えているもの、今できることをしっかりとやること、やりたいことをもう一度はっきりさせること、この辺りを短い間にやって、セレッソ戦に臨んでほしいと思います。
今はそうとしか‥‥
Posted by S.ジェラード at 2011年05月09日 02:30
S.ジェラードさんへ。
コメントありがとうございます。
自分たちができることを確認することは必要ですよね。
それを突き詰めていく作業が必要ですから。
コメントありがとうございます。
自分たちができることを確認することは必要ですよね。
それを突き詰めていく作業が必要ですから。
Posted by sanukireds at 2011年05月09日 22:20